1人で取材・編集するビデオジャーナリスト
とっておきのシンデレラストーリーがあります。
ビデオ一体型カメラをいじり始めてわずか2年足らずの女性が、NHK衛星放送(BS11)の看板ドキュメンタリー番組「日曜スペシャル」の90分枠をもらい、たった1人で取材を進めているのです。
テレビ報道はディレクター、カメラマン、照明・音声係などのチーム取材が常識。
海外ドキュメンタリーともなれば、通訳やコーディネーターの仕事も加わります。
こうした役回りを1人でこなす路生(32)は大阪府に住む中国人留学生です。
脚光を浴びるきっかけは、94年2月、買ったばかりのビデオカメラで撮った初作品「学校に行きたい―中国の未就学児童たち」。
中国の貧困県である湖南省桑植県を単身訪れ、けなげに生きる子供たちの姿を追いました。
最初は大手テレビ放送のようにインパクトの強い映像を求めました。
しかし取材を進めていくうちに、貧困だけを強調するのではなく、ねばり強く生きる姿を表現しようと思ったのです。
仕上がった作品は"プロ"のようなメリハリはないとも、胸を突き刺す迫力がありました。