「越境放送」時代
韓国については「日本語禁止」といった制約がありますが、ソフト不足の状況には変わりがなく、今後の可能性に注目しています。
それでも現地の目には日本の動きは緩慢に映るようです。
スターテレビのディレクター、ジェフは「世界各国からソフトの売り込みが来るのに日本の音楽会社や番組会社はまだまだ欧米に遅れている」と話します。
あらかじめ海外向け販売を想定して制作する米国などと違い、日本の番組制作者の多くは国内向けしか頭になかったそうです。
音声と映像を一緒に収録している作品が多いから、吹き替えに苦労します。
電波が国境を越える「越境放送」時代。
日本の映像メディアの手探りは続くが、今の時代に果実を手にできるのは日本市場のくびきから解き放たれた企業かもしれません。
たとえばホリプロ。
93年、同社が北京で歌手のオーディションをしたところ、40万人もの応募者が集まったそうです。
最近、日本の芸能プロダクションやレコード会社の間で北京、上海、台湾などを舞台にしたスカウト合戦が相次いでいるのも、中国語圏を意識した人材発掘が目的です。
「(スカウトした人材を)どうして日本に連れてこないのか」ホリプロ宣伝部の鈴木部長はこんな質問をよく受けます。
"現地でつくり現地で売る"手法をとるのは、日本よりも大きな市場に目を向けている表れです。
サザンオールスターズの「真夏の果実」は日本でもミリオンセラーでしたが、香港の張学友が歌った中国語の吹き替え版はなんと700万枚売れたのです。
海賊版を合わせれば1000万枚を超えます。
うまくやれば"テン・ミリオンセラー"も可能な世界です。
国境を越えたボーダーレス・タレントは華僑社会が広がるアジアでは当然のことかもしれません。
そうなると、日本の人気歌手、チャゲ&飛鳥を売り込むより、見つけようという発想が生きてくるのです。